パルシステム連合会主催の「若者自身が取り組む若者の貧困問題―韓国と日本の実践から学ぶ」というイベントに行って来ました。
と言っても事情があって途中で抜けたのですが。
それによると韓国の事情は日本より遥かに悪い、というか厳しいらしいです。
韓国では進学率が72%なのですが、授業料が高額で(公立か私学か不明だが日本円で年間100万円とか言っていました)、経済成長も低くなって来ていて、親世代も貧困化していて、学資を負担して貰えなくなっていたりしています。それでお金を借りるわけですが、信用の問題があったりして銀行とかからは借りられず、日本で言うサラ金みたいな所から借りざるを得ないとの事です。なんで卒業する段階で平均値で日本円250万円位の借金を背負って卒業する事になると言います。
で、就労状況も日本に似ていて、非正規雇用で就職する人が52%、非正規で就労したら1年未満で契約更新を繰り返し、場合によっては契約解除。非正規雇用の月収は150万ウォン。
非正規から正規に行ける人も日本同様少なく、1.3%との事です。
そして、韓国では若者・非正規の住宅事情は日本よりずっと悪いとの事。元々韓国は単身者向けのアパートやワンルームマンションは少なく高額な広い賃貸住宅が多いらしい。で、それでも辛うじてワンルームの様な賃貸に入居出来るとしても、日本の様な保証人制度や保証会社制度が無い為(まあ、この制度もどうかと思いますが・・・)、入居時保証金を1000万ウォン(日本円で100万円程度)払わなくてはならない。もっとも保証金は退去時には戻って来るのではあるのですが。家賃が大体50万ウォン(日本円で5万円位)。
しかし、先に書いた様に金銭的に苦しい人が多い為、以下の様な”住まい”に住んでいる人も多いそうです。それは日本の無料低額(実際には”無料”でも”低額”でも無いのだが)宿泊所の如き物で、「考試院」という物です。日本の畳で2畳位の個室、トイレ・シャワールーム・冷蔵庫は共同。偶にテレビやインターネット環境、小さな冷蔵庫等を個室に備えている場合もあるが、実際にはあまりありません。
ご飯・キムチは食べ放題。他、カップラーメンを備えている場合が多いそうです。日本では飲食店でもご飯食べ放題は殆ど無いので、それが救いでしょうか。それとキムチ。キムチは「美肌効果」「脂肪燃焼作用」「整腸作用」がある健康優良漬物なので、「考試院」住まいの人々はそれで栄養を補給している感じです。
そんな韓国で「考試院」に住む様な、低所得・高額家賃負担の貧困な若者ハウジングプアを「ナメクジ世代」と呼ぶのだそうです。
何故なら「カタツムリは家があるが、ナメクジは家が無い」からだそうです。
そんな韓国で、ハウジングプア・ワーキングプアな若者達が集まって自ら問題解決主体となるべく結集したのが
「青年ハブ」です。
韓国の若者達、自分達で自分達の問題を解決しようとする努力が偉いと思います。私も含めて、日本人はどうも他人(ひと)に頼る感覚が多い様な気がしますが如何でしょう。
青年ハブと関係があるかどうか忘れてしまいましたが、若者の住宅問題を解決するのに、先程の「ナメクジ世代」が結集して、「なめくじ住宅協同組合」を結成し、「100人から100万ウォンづつ、1億ウォン(日本円で約1千万円)を集める」を目標にソーシャルファウンディングを行い、130人から1億1千万ウォンを集め、「なめくじの家」を設立したそうです。
こんな感じで、日本でも行ければいいと思うのですが、なかなかうまい具合には行きません。